2019.12.7 知識
毛根が死滅したら髪の毛は生えない?髪を再生させるために必要なこと
年齢を重ねていくと嫌でも「ハゲてきた…」や「抜け毛がひどい」などで悩んでいる男性は多いのではないでしょうか。「髪の毛が生えてこない=毛根の死滅」と考えてしまいますが、本当に髪の毛は生えてこなくなると毛根が死滅しているのでしょうか?
今回は頭皮の毛根が死滅したら髪の毛は二度と生えてこないのか、また復活する方法はあるのか、などについて解説していきます。
毛根が死滅したら復活しない?
一般的には毛根が死滅したら髪の毛は生えてこないというイメージが強いです。世間に目を向けても、年齢を重ねているのに髪の毛がフサフサの男性を見かけることはないので絶望的に思えてしまいます。実際のところ毛根が死滅するとはどういうことでしょうか?
毛根の死滅とはどういう状態なのか?
毛根が死滅しているかどうかというのは、毛根の底部にある毛母細胞が死滅しているということになります。しかし毛母細胞自体は自然に消滅するような可能性は少なく、外部からの刺激を受けないとなかなか完全に死滅しません。背部からの刺激とは、永久脱毛のようにレーザーを当てて毛が生えてこないようにするような状態です。
では、毛根は生きているのに、なぜ髪の毛が生えてこないのでしょうか?そもそも薄毛の原因はいくつかありますが、代表的なものに男性型脱毛症(AGA)があります。AGAは体に分泌されている男性ホルモンよりも強力な男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)が頭皮に分泌され、「健康な髪よ抜けてしまえ」と命令を出してしまいます。すると元気な髪の毛でもホルモンの指令によって抜け落ちてしまいます。
しかし、ジヒドロテストステロンを作らせない薬(フィナステリド)と血行促進させる薬(ミノキシジル)を使うことで、髪の毛を生やすことができます。内服薬は市販薬としては入手できず、クリニックで処方してもらう必要があります。個人輸入などで手に入れることもできますが危険性も多くありますので、自己判断で薄毛対策をするより医師と相談しながら治療を進めてください。
薄毛が進行する原因
普段あなたがどのような生活をしているのかによっても、薄毛の進行を加速させる原因につながります。一般的に考えられる生活習慣の原因として、偏食・血行不良などがあげられます。
偏食(栄養不足)
偏食をすることで栄養に偏りが発生して、体内に十分な栄養が行き渡らず薄毛を進行させるおそれがあります。髪の毛はそもそも毛根にある細胞が活性化して毛を生やしますが、細胞も栄養がないとエネルギー源がないと動きが鈍くなります。
人間でいうと、空腹の状態のまま仕事するとパフォーマンスが落ちるのと同じような状況です。食べ物の好き嫌いがあって偏食になっている場合もありますが、毛根が死滅してしまうよりかは嫌いなものを食べて薄毛の進行を防ぐほうがいいでしょう。
血行不良
血行不良は冷え性の原因と思われがちですが、毛根の健康という面においても重要です。先ほどお伝えした髪の毛を生やす仕組みは、毛根に栄養が送られることで髪の毛が生えてくるとお伝えしました。ところで、毛根に栄養はどのようにして運ばれるかご存知でしょうか?
「体の軸から栄養がにじみ出ていく」なんてイメージされそうですが、正解は血液にのって毛根に栄養が届けられます。しかし血の巡りが遅い(血行不良)と栄養が毛根になかなか届きません。血行は目に見えないので判断しにくいですが、それゆえに日頃から血行などの健康状態に気をつけておかなければいけません。
毛根を健康的に保つするためには
髪の毛が生えてこなくても「もうだめだ」と諦めるのはまだ早いです。抜け毛や薄毛がはじまったばかりであれば、普段の生活を改めることで薄毛の進行を緩和することが可能です。いずれも決断次第ですぐにはじめられますから、薄毛が気になりはじめているならば早めに検討するとよいでしょう。
バランスのとれた食事を心がける
取引先との付き合いなどで外食が多いこともあるでしょうが、栄養バランスに気をつけて食事をするようにしましょう。髪の毛を生やすために使われる栄養は種々様々ですが、主にビタミンやミネラル、たんぱく質などの栄養が必要です。
具体的には鶏の胸肉、キャベツ、ごぼうなどを積極的に食べるようにするとよいでしょう。髪にいい食べ物ばかりを食べていれば偏食になりますから、健康を維持するためにもほかの野菜などもしっかりと食べるようにしましょう。
育毛剤を使う
育毛剤とは文字どおり、毛を育てる商品のことをいいます。テレビCMやドラッグストアに行くと『育毛シャンプー』や『育毛ローション』などがよく宣伝されているのを見かけますが、これらの使用で髪の成長を促してあげます。大手ショッピングサイトでも取り扱いがあり、商品レビューなどを見て購入すると失敗するリスクを減らすことができるでしょう。
ただし、市販の育毛剤があればクリニックでの治療は必要ないのでは?と思われるでしょうが、育毛剤はあくまでも髪の毛の成長を促すものです。育毛剤を使っても髪の毛は生えてこないので、薄毛の根本的な改善のためには医学的な治療をしないといけません。まだ髪の毛がある状態であれば、育毛剤で様子見をするのもいいでしょう。
運動をする
運動をすることで血流を促進させて毛根の死滅を防ぐことができます。髪を生やすエネルギーは血液から運ばれてきますが、普段から運動不足や座りっぱなしの仕事をしていると血液の流れが悪くなり毛根にまで栄養が届きにくくなります。
運動をすれば体があたたまり、血管が拡張して血液の流れがスムーズになるので栄養源が枯渇する前に毛根に栄養を届けられます。
薄毛治療をはじめる
いくら食事のバランスや運動をはじめても進行を緩和できるだけで、薄毛の進行を根本から食い止めることはできません。薄毛の状態が進んでしまうと再発毛を働きかけるのが困難になってしまいます。逆に少し薄毛化が意識され始めたような初期の薄毛の状態においては、発動してしまった薄毛化メカニズムをお薬の力で食い止めることも無理なく実現できます。
まとめ
髪の毛が生えてこないからといって毛根が死んだと決めつけるのは尚早です。毛根や頭皮の状況によっては再び髪の毛を生やすことは可能な時代になってきています。しかし、薄毛の状態がかなり進行してしまうと、発毛を働きかけることが難しくなりますので、クリニックで早めに治療を進めていくとよいでしょう。