コラム

2019.10.4 知識

頭皮が痒い時の原因と対処法

日常で頭皮の痒みの原因になるもの

① シャンプー成分の刺激

最近特に増えているのが、頭皮に合わないシャンプー剤による痒みです。値段が安めのシャンプーの多くには高給アルコール系の洗浄成分が含有されています。成分名称としては「〇〇硫酸〇〇」などの表示があるものです。洗浄効果が強く原価が安いので、製造者サイドが好んで使用します。この成分は刺激が強く、頭皮が反応して痒みを生じることがあります。

② すすぎ残し

これも比較的多いケースですが、洗髪時にすすぎ残しが生じることで痒みの原因になることがあります。シャンプーは比較的しっかりとすすぐ意識が働きますが、コンディショナーやトリートメントなどはすすぎ過ぎるとせっかくの効果が薄れる気がしてもったいないと感じる人もいるようです。

ヘアケア製品は少なくとも頭皮にすすぎ残しが生じないようにしっかり洗い流してやらなければ、これも頭皮の痒みの原因になります。

③ 雑菌

不衛生から雑菌が繁殖すると痒みや炎症を生じることがあります。元々頭皮には常在菌としてマラセチア菌などが住みついていますが、健康な状態であれば普段は悪さをしません。しかし洗髪をしないなど衛生状態が悪くなると、異常繁殖を起こして頭皮に痒み等の異常を生じさせることがあります。

④ 汗かぶれ

体質的によく汗をかく人、仕事の都合で帽子やヘルメットなどを長時間被らなければならない人は、汗によって頭皮にかぶれが生じ、痒みを感じることがあります。寒い時期はそうでもないけれど、暑い時期になるとよく頭が痒くなるという人は汗かぶれの影響が疑われます。

⑤ 整髪料

ワックスやヘアスプレーなど整髪料も痒みの原因になり得ます。使用する際はできるだけ頭皮に付着しないようにしてください。

⑥ 頭皮の乾燥

時期的に空気が乾燥している時期は、体の他の部位と同じく頭皮にも痒みを感じることがあります。また時期に関係なく、頭皮の洗い過ぎなどによって皮脂が足りなくなると、バリア機能が低下して痒みを感じることがあります。

治療が必要な皮膚病によるもの

頭皮の痒みは以下のような病気によっても起こります。

① 頭部白癬

水虫菌（白癬菌）による感染症です。足に出る水虫が有名ですが、水虫は足だけでなく頭や陰部にも感染します。

② アトピー性皮膚炎

体質的に皮膚のバリア機能が弱いアトピー体質の人は、外界の刺激に敏感に反応して痒みを強く感じます。ついつい掻き毟ってしまい悪化することが多くなるので注意が必要です。

③ 頭ジラミ

吸血性の昆虫であるシラミに感染すると強い痒みを生じます。温泉やプールなどで感染したり、感染者が使用したタオルや帽子、枕等を共用することでも感染します。

④ 乾癬

まだはっきりとした原因は解明されていませんが、遺伝や自己免疫系の異常が関係しているとされる乾癬も強い痒みを伴います。人に感染することはありませんが、赤い紅斑が特徴なので確認がしやすいです。

頭皮の痒みの対処法は？

原因によって個別の対処法は異なりますが、共通して言えることはとにかく掻き毟ることのないようにしてもらいたいと思います。無意識にでも繰り返し掻いてしまうと、傷が生じて悪化したり、別の感染症の原因になってしまうこともあるからです。

痒みが強い場合や目に見えて赤みがある、発疹や発赤が出ている、皮膚がめくれているなどの異常がある場合は速やかに医師の診察を受けてください。痒みがそれほど強くない場合や頻繁に繰り返すこともない場合は、日常で頭皮の痒みの原因になるものをしばらく遠ざけて生活してみましょう。

例えばシャンプーはアミノ酸系のマイルドな物に変えて、洗髪後はしっかりと洗い流す、整髪料は控えめにして、汗をかいたらその都度洗い流し、本格的な洗髪を一日一回寝る前に行うなどです。それでも痒みが治まらない場合やひどくなっている実感があれば、早めに医師の診察を受けて原因を探るようにしてください。

まとめ：日常のケアで治まらなければ医師の診察を

頭皮の痒みの多くはシャンプーのすすぎ残しなど日常的な生活から生じるものです。気を付けていても痒みが治まらない場合は、放置すると悪化する可能性もあるので、早めに医師の助言を受けると安心です。当院では頭髪だけでなく頭皮の異常にも対応しておりますので、日常的に痒みを感じている方はお気軽に当院にご相談ください。