2019.9.6 知識
育毛サロンと発毛クリニックは何が違うの?
髪の悩みに訴求するテレビCMやネット上の広告では、医療機関とは異なる育毛サロンの宣伝をよく見かけます。複数の業者がいるので育毛サロンの個別名称は異なりますが、業態として昔から存在していますから、知識が無いと医療機関と誤認してしまう危険があります。
育毛サロンと医療機関である発毛クリニックは全く異なるものです。ぜひ違いを押さえて欲しいと思います。この回では育毛サロンと発毛クリニックの違いについて詳しく解説していきます。
育毛サロンってどんなところ?
個別業者の名前はあえて挙げませんが、主に頭皮環境を整えて自毛を増やすことができると宣伝しているのが育毛サロンの類です。薄毛が広範囲な人に対しては人工毛でできたウィッグやカツラの利用を勧めてくることもあります。育毛施術の面では専用の洗髪器材を用意して、スタッフが洗髪や頭皮マッサージ、育毛剤の塗布などをしてくれるサービスを提供しています。
使用する頭皮洗浄液や育毛剤などは、各サロンで独自に用意、開発したものが使われることが多いです。スタッフがこれらの施術をしてくれることで、マッサージ効果を得られることや慰安的な作用をもたらすことはありますが、こうした類のサロンでは薄毛に対して効果的に対処することはできません。
育毛サロンの限界
なぜ薄毛に効果的に対処できないのかというと、育毛サロンは薄毛治療に必要な医療行為を提供できないからです。医師が在籍しておらず、治療薬の処方もできません。整体などと同じように、あくまで慰安的なリラックス効果をもたらすサービスとしての位置づけになるので、AGA治療に必要な治療薬を使用することができないのです。
例えば、AGAの主原因であるDHTを抑制するフィナステリド製剤も使えませんし、頭皮の血流を改善するミノキシジル製剤も使えません。在席しているカウンセラーなどのスタッフは医師免許を持っていませんから、医師のように医学的知識に基づいた正確な判断も期待できません。発毛クリニックとの最大の違いは、育毛サロンは医療機関ではない、ということに集約されます。
発毛クリニックでは何ができるのか?
育毛サロンと違い、発毛クリニックは医療機関です。そのため、医学的に薄毛に効果のある治療を受けることができます。まず、医師が患者さんの頭皮の状況を観察して薄毛の態様を確認することはもちろん、薄毛の原因となっている様々な要因を問診や検査によって導き出します。AGA以外の皮膚疾患などがあればこちらへの対応も考えなければなりません。
薄毛に詳しい専門の医師であれば、AGAによる薄毛であってもその他の要因が絡むものであっても、原因に対する正しい処置を施すことが可能です。AGAであればフィナステリドやミノキシジルなどを用いて効果的な処置を施せるので、効率よく毛量を回復させ患者さまの満足を引き出すことができます。
本気の薄毛治療なら断然発毛クリニック
育毛サロンのサービスは、スタッフが頭皮洗浄やマッサージを行うことから、リラックス効果を得られるという点では利用者に満足を与えるのかもしれません。街中の整体院などと同じような感覚で、「ちょっとリフレッシュしたいな」という時に利用できれば、すっきり感を味わうことができるでしょう。
しかし、薄毛の改善を本気で考えているのであれば、育毛サロンではなく医療機関である発毛クリニックを選択してください。
両者の効果の違いについては上で述べてきましたが、費用面を考えてもクリニックの方が有益では無いかと思います。育毛サロンでは通い続けても発毛に至る可能性は低いです。そのために大きなお金を払い続けることを考えるのであれば、医学的に効果のある治療を受けられる発毛クリニックの方に断然分があるといえます。同じお金をかけるなら、医学的に効果のある薄毛治療を受けられる医療機関を選択してください。
同じお金をかけるなら医学的に効果のある治療に使おう
この回では育毛サロンと発毛クリニックの違いについて詳しく見てきました。一番大きな違いは医療機関であるか、そうでないかということです。発毛クリニックは医療機関ですから、医師の存在の元で効果のある治療薬の処方を受けられますが、育毛サロンは医療機関ではないので治療薬は使用できませんし、医師のアドバイスを受けることもできません。
しかも費用面では、医療機関と比べると高額な出費が必要になるので、薄毛対策の費用対効果を考えると育毛サロンに大きな期待を寄せることは難しいでしょう。同じようにお金をかけるなら、効果が確立した治療を受けられる発毛クリニック選択してみてはいかがでしょうか。