2019.8.31 悩み
これってM字ハゲ?生え際の状態による判断基準と対策
頭髪の状況は人によって様々ですから、毛量はもちろん、髪の太さやハリコシの強さも人それぞれです。生来的に生まれ持った髪質と量が決まっているので、周囲の人と比べて自分の髪が薄毛かどうかをチェックするのはあまり意味がないと言えます。
絶対的な薄毛の判断基準があれば自己判断ができそうですが、この回では生え際の薄毛を気にされている方に向けて、M字ハゲの判断基準と対策方法についてお伝えしていきます。
M字ハゲの定義は?
まずM字ハゲの定義ですが、この名称は俗称であって医学的な正式名称ではありません。顔の正面から見て生え際が頭頂部に向かって後退することから、露出した頭皮のラインをなぞらえて「M字ハゲ」と呼ばれています。生来的に生え際は前頭部の額よりわずかにカーブして浅いM字を形成していることが多いですが、加齢と共に体内で薄毛を引き起こす男性ホルモンが増加することで、生え際部分が頭頂部に向かって薄くなっていきます。
その過程のどの時点で「薄毛」として扱うのか、医学的に確立された基準というものは今のところありません。本人が薄毛だと認識すればそうであるとも言えますが、どうしても数字的な基準が欲しいという人はハミルトン・ノーウッド分類を使った指標が参考になります。
ハミルトン・ノーウッド分類におけるM字ハゲの基準
ハミルトン・ノーウッド分類は男性のAGAによる薄毛のタイプを分類してまとめたものです。専門クリニックでは、薄毛の進行過程を医師と患者さまが共有するため、説明の際に使用することもあります。この分類法ではM字ハゲの参考基準が確認できます。
ここでは頭の中でイメージして頂きたいと思いますが、まず片側の耳の上部から頭頂部に向かって線を引きます。そこから、同じ側の後退した生え際の最終ライン(頭頂部に近い側)との距離を測ります。その距離が2センチ以内になるとAGAであると判断されるので、AGAによるM字ハゲであるという理屈になります。
本人の実感が最も正確
例えばおでこの広さをメジャーで測ったり、指が何本入るかなどが参考になるとしている情報もありますが、個人差が大きいことや正確性を考えるとあまりアテにはならないでしょう。この点、一番正確なのは本人の実感による判断なのではないかと思います。つまり、本人であれば子どもの頃から毎日自分の頭を見てきているわけですから、徐々に進む薄毛の進行過程をつぶさに見てきているはずです。
年齢を重ねて、「20代の頃よりも少し生え際が上がってきたな」とか「M字のラインがはっきりしてきたな」という実感があれば、M字ハゲが進行してきているということです。本人がこれを実感した時点で、薄毛の進行を抑えるための行動が必要になります。
M字ハゲの対策方法は?
自分でできる対策方法としては、生活習慣の改善や育毛剤の導入などが考えられます。AGAは、体内で髪の成長を阻害する「ジヒドロテストステロン(DHT)」が増えることで進行しますが、その他にも頭皮の血行不良や頭皮環境の悪化も薄毛の進行を助長します。バランスの良い食事や睡眠によって体の健康を保ち、髪を育てる力を落とさないように配慮しましょう。食生活の面では、髪の成長に必要な亜鉛が不足しないようにします。
DHTを抑制するとされるノコギリヤシのサプリメントを導入する人もいますが、医学的な効果は確認されていないので自己責任となります。また、市販の育毛剤では、AGAの主原因であるDHTを効果的に抑え込む効力は無いので、ある程度の進行抑制作用しか望めないことがほとんどです。
自己対処で思うような効果、改善が見られない場合、そのままではM字ハゲは少しずつ進行し毛根も死滅していきます。一度死んでしまった毛根は生き返ることはなく、薬を使っても毛量の回復は難しくなります。従って薄毛を認識したら、できるだけ早い段階で病院による治療を受けるのが望ましいのです。
M字ハゲの治療法
病院での治療では、まず体内で発生するDHTを抑制するため、フィナステリド製剤の内服薬を使用します。これによって主原因の悪い作用が絶たれますから、それ以上の薄毛の進行を止めることができます。同時に、頭皮の毛細血管を拡張して血流を増進し、毛根に栄養を届けて発毛を促進するミノキシジル製剤を併用します。ミノキシジルは既存の血管に拡張作用をもたらすだけでなく、新しい血管を生み出す血管新生作用も持ち合わせています。
毛根への栄養補給路を増やすことで、強い発毛作用を期待することができます。必要に応じてこれにビタミンやミネラルなどの栄養補給も加え、処方薬の効果が最大限に生かせるようにしていきます。当院ではさらに、AGAメソセラピーといって毛根に直接髪の生える成分を届ける方法もございます。患者さまの薄毛度合いに合わせて、オーダーメイドな治療が可能であることも当院の強みです。
本人が薄毛を実感したら専門医に相談しよう
この回では男性のAGAにおけるM字ハゲについて、判断基準や対策方法を見てきました。数字的な基準としてはハミルトン・ノーウッド分類が参考になりますが、何よりも患者さん自身の実感が大切な判断基準になります。AGAは比較的若い時期から少しずつ進行しますから、生え際の髪が細くなってきた、地肌が見えるようになってきたという段階で自己対処を講じておきましょう。
それでも進行が止まらない場合は、できるだけ早く医師の指示を仰ぎ、適切な治療を受けましょう。早い段階で処置を施すことで、速やかな改善が期待できます。
当院では、M字ハゲに対して治療薬の処方など医学的なアプローチが可能です。「無料カウンセリング」を実施していますので、M字ハゲや薄毛にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。